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なぜ『結婚相手は抽選で』は共感を呼ぶのか?「結婚できない人」たちの苦悩を問う問題作

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結婚相手は抽選で | 東海テレビ」より
 野村周平主演の連続テレビドラマ結婚相手は抽選で』(フジテレビ系)第6話が、11月10日に放送される。前週3日に放送された第5話は平均視聴率2.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。初回も2.8%での幕開けとなっていたが、その後は2~3%台を行ったり来たりしている。


 本作の舞台は、少子高齢化を食い止めるための苦肉の策として、政府が「抽選見合い結婚法」を制定した日本社会。これは独身で子どもを持たない25~39歳の男女を対象に、本人の年齢プラスマイナス5歳の範囲でお見合いの相手が抽選されるといった、かなり強引な政策だ。都内でひとり暮らしをしている主人公・宮坂龍彦(野村)も同法の対象者だが、潔癖症と人間不信を抱える彼は同法に振り回されながらも疑問を強めていく。見合い相手に断られ続けるなかで、さまざまな女性たちの人生と哀しみを知るからだ。

 第5話で見合いすることになった冬村奈々(高梨臨)も、複雑な境遇や思いを隠している。幼い頃に母親を亡くしている奈々は、美人のお嬢様。しかし、同法の施行直前に振られた恋人・銀林嵐望(大谷亮平)からは、「母性を感じられない」などと指摘されていた。奈々の抽選見合いは失敗続きで、自分から断った回数もすでに2回……。同法では、3回断った者は「テロ対策活動後方支援隊」に2年間従事しなければならないと決められているため、奈々は“リーチ”なのである。

 そんなタイミングで、奈々の見合い相手となった龍彦。奈々は、もう自分から断るわけにはいかないため、龍彦に断らせようと派手な服装で“無理目な女”を演じる。だが、龍彦は恐縮して「どうぞ断ってください」などと言うので、奈々はあわてて見合い続行を希望するのだった。

 その夜、龍彦は友人の北風祐輔(松本享恭)や鯨井浩樹(加藤雅人)から、男性にリーチを悟られた女性が脅迫されるといった事件が続出していることを聞かされる。北風は、奈々についても「明らかにリーチ」と見破るが、龍彦は彼女のような美人が同法に振り回されている理由が気になっていた。数日後、奈々と再会した龍彦は、料理ができないという彼女をお好み焼き店に誘う。これを機に、2人は少しだけ打ち解けたように見えた。

 一方、今回は北風が龍彦に“ゲイ”であると告白する場面も。北風は3回目の抽選見合いで限界を感じたこと、性的マイノリティと呼ばれる人々もまた、同法に悩まされていることを語ったのだった。

 少子高齢化は、確かに深刻な問題である。ただ、だからといって強制的に結婚を促すことは、“男女の結婚”という枠に収まらない人々を無視することと同じだ。性的マイノリティに限らず、同ドラマにはこれまでさまざまな理由で結婚を選べない人、選ぼうとしない人が登場した。今後は、龍彦がそんな社会と向き合い、成長していく姿に注目である。

 ところで、インターネット上には「龍彦がカワイイ」「龍彦を応援したくなる」といった書き込みが多く見られると同時に、「野村自体は嫌いなのに、野村の演技は嫌いじゃないんだよなぁ」という声も。野村はイケメン俳優として扱われる一方で、バラエティ番組での“ビッグマウス”やツイッターでの投稿が物議を醸すなど、幾度となく炎上してきた存在だ。

 それでも、ネット上のアンチたちにさえ「俳優としては評価できる」「普段の野村と龍彦って全然キャラが違いそうなのに、妙にハマっててすごいわ」「野村はムカつく。でも、演技に関しては認めざるを得ない」「いけすかないヤツだと思って野村のドラマ見たことなかったけど、龍彦を見たらかなり株が上がった」などと言わせているから、大したものである。視聴率は深夜枠とあって3%前後でも仕方がないものの、“俳優・野村”の評判はうなぎのぼりのようだ。
(文=美神サチコ/コラムニスト)

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