• MAGAZINE • REVIEW • セクシュアリティ を 問う 作品 の 周縁 で 。 菅原 伸也 評 「 解放 さ れ 行 … REVIEW - 2019 . 8 . 7 セクシュアリティ を 問う 作品 の 周縁 で 。 菅原 伸也 評 「 解放 さ れ 行く 人間 性   女性 アーテ ィスト による 作品 を 中心 に 」 現在 、 東京 国立 近代 美術館 で は 、 洋画 家 ・ 丸木 俊 による 裸婦 像 《 解放 さ れ 行く 人間 性 》 ( 1947 ) に 着想 を 得 て セクシャリティ を 問う 展覧 会 「 解放 さ れ 行く 人間 性   女性 アーテ ィスト による 作品 を 中心 に 」 を 開催 中 だ 。 時代 とともに 様々 な 人間 性 が 徐々に 「 解放 さ れ 行く 」 流れ を とらえ た 本展 を 、 美術 批評 家 の 菅原 伸也 が レビュー する 。 -- ) の 《 解放 さ れ 行く 人間 性 》 ( 1947 ) だ 。 本 作 は 女性 作家 が 、 戦後 すぐ に 、 あたかも す べ て から 解き放た れ た よう な 女性 の 裸体 を 描く という かたち で 「 女性 」 の 表象 を 自ら 行 っ た 作品 で あり 、 女性 の セクシュアリティ へ の 讃歌 で ある と も 理解 できる 。 加え て 、 そ の 次 の 部屋 で も 女性 作家 の 作品 が しばらく 続く こと を あわせ て 考える なら ば 、 本展 は ジ ェンダー や セクシュアリティ を テーマ と し た 展覧 会 な の だろ う か 。 「 女性 アーティスト による 作品 を 中心 に 」 という 副題 が 添付 さ れ て い た の は 、 その こと を 示す ため で あっ た の だろ う か 。 -- 近年 に 至っ て は 女性 だけ で なく セクシュアルマイノリティ が 表象 さ れる 作品 も 出現 する よう に なっ た という 、 「 人間 性 」 に関する 表象 の 拡張 の ナラティブ を そこ に 読み取る こ と が できる 。 言い換える なら ば 、 本来 ジェンダー や セクシュアリティ と とくに 関係 を 持 た ない 《 解放 さ れ 行く 人間 性 》 における 「 人間 性 」 が 、 丸木 俊 が 想定 し て い た もの と は 違う かたち で 強引 に 読み替え られ 、 ジェンダー や セクシュアリティ の 問題 に 捻れ た やり 方 で 限定 さ れる こと で 徐々に 進行 し て いく 「 人間 性 」 の 解放 の 例 として 、 女性 や セ クシ ュアルマイノリティ の 表象 が 提示 さ れ て いる の で ある 。 -- 東京 国立 近代 美術館 は 《 原爆 の 図 》 など で 知ら れる 洋画 家 ・ 丸木 俊 による 裸婦 像 《 解放 さ れ 行く 人間 性 》 ( 1947 ) を 新しく 収蔵 。 本展 は 、 その 作品 と タイトル に 着想 を 得 て 、 セクシャリティ を 問う もの として 開催 さ れ て いる 。 企画 は 東京 国立 近代 美術館 主任 研究 員 の 保坂 健二 朗 。