セクシャリティの多様性実現を目指して闘うセレブたち

CULTURE SPECIAL
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アン・ハサウェイからレナ・ダナムまで、性的少数者に光を当て、権利向上のために道を切り拓いてきた21人のセレブに注目。US版エルより。

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ルビー・ローズ

Netflix発のヒットシリーズ『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』のスターでDJ活動も行っているルビー・ローズは2014年、ショートフィルム『Break Free』で自身の性自認とその流動性についてオープンにした。

脚本から撮影まで全てを彼女が手がけたそのフィルムでは、オーストラリア人のモデルが髪をばっさりと切り、メイクを落とし、腕のタトゥーをあらわにする様子が描かれている。

動画の配信後間もなく、ローズは自身のフェイスブックのページでLGBTコミュニティ内でのいじめについて率直に話した。

「同性愛嫌悪と同じくらい止めなくちゃいけないのは、LGBTコミュニティ内でのいじめよ……"バイセクシャル"は欲深いことじゃない。"パンセクシャル"は存在するし、別に責任回避じゃない。。"ストレート"の人もゲイの大いなる支持者やLGBTコミュニティにとっての恩恵となりうる。手術しなくたってトランスジェンダーと名乗っていいし、流動的な性でもかまわない。あなたはありのままでいていいし、好きな相手を好きでいていいの。そして我々は自分たちが受け取っていないと声を上げ続けている、その愛と容認の輪を広げていかなくてはいけないわ」

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ジョージ・クルーニー

アメリカでの同性婚の合法化を訴える有名な運動家であり、「AFER(平等権を求める全米基金)」や「amfAR(米国エイズ研究財団)」のサポーターを務めるジョージ・クルーニーはゲイとレズビアンのニュースマガジン『Advocate』で彼のセクシャリティに関する憶測について一向に気にしていないと語った。

「僕が飛び跳ねながら『それは嘘っぱちだ!』と言う姿を君たちが見ることは決してないよ。だって、それはゲイコミュニティにいる僕の良き友人たちに対してアンフェアだし不親切だからね。ゲイであることが悪いことであるかのように思わせることはしたくないんだ」

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エレン・ペイジ

2014年、『JUNO/ジュノ』(2007)で一躍スターとなったエレン・ペイジはLGBTの人権擁護団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」のイベント「Time to Thrive」で壇上に上がり、自身が同性愛者であることをカミングアウトした。

「隠し続け、ぼやかして嘘をつくことに疲れました。何年もの間、同性愛者だと知られることが怖くて苦しみました。私の精神、メンタルヘルス、人間関係、すべてが傷つきました。そして今日私はここに立っています。あなた方と共に、その痛みを乗り越えて」

8分間のスピーチを彼女は「あなたたちを愛しています」という言葉で締めくくり、観衆は総立ちで拍手喝采を送った。

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ジョシュ・ハッチャーソン

2013年、『ハンガー・ゲーム』シリーズで知られ、同性愛者の人権擁護者である俳優ジョシュ・ハッチャーソンはゲイ&レズビアンのライフスタイル・マガジン『Out:』誌で自分がバイセクシャルになりうると明らかにした。
 
「自分はほとんどストレートだと思う。たぶん、今は100%ストレートと言ってもいいけど、どうだろうね、一年後に男の人に出会って、『うわ、この人に惹かれる』ってなっているかもしれないよ」
 
同性愛者の叔父2人をエイズで亡くしたジョシュは、同性愛嫌悪に立ち向かう青年団体「Straight But Not Narrow」も設立している。

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ベン・アフレック

2013年3月、ベン・アフレックはオバマ大統領の「同性のカップルが結婚できるようになるべきだ」というツイートをリツイート。「僕も賛成だ」と付け加え、ほかの人にもその投稿をリツイートするよう促した。

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エレン・デジェネレス

コメディアンでトークショー番組のホストをつとめるエレンは1990年代より同性愛者の権利拡大に取り組んでおり、1997年には国営放送でカミングアウトしている。

昨年、彼女は「ギャップ キッズ」とコラボレーションし、性のステレオタイプにとらわれない子供服のコレクションをローンチ。「ティーン・チョイス・アワード」にコメディアンとして選ばれた受賞スピーチでは、LGBTQの若者へむけて語りかけた。

「選んでいただきうれしく思いますが、私はかつて選ばれなかった経験があります。それは私が人と違っていたからです。お伝えしたいのは、今あなたを人と違うように仕向けるものは、後の人生であなたを際立たせてくれるものだということです。ですから、違っていることに誇りをもってください。ありのままの自分に誇りを持つのです」

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レナ・ダナム

HBOのTVドラマシリーズ『ガールズ』で脚本を手掛け、自ら出演するレナ・ダナムはアメリカの50全ての州で同性婚が合法化されないかぎり、自分が結婚することは無いとオープンに認めている。

「自分の人生で関わった全ての人々や、愛する全ての人々と完全に共有できないお祝いをするなんて、全然祝福の感じがしないわ」とゴールデン・グローブ賞も受賞しているレナは説明する。

「だから、全員がどんなレベルにおいても、政治的にも感情的にも、のけ者にされていると感じずに参加できるものにならないかぎり、我々がしようとすることじゃないわ」

先月、彼女は『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』の脚本家ジェニー・コナーとコラボレーションし、トランスジェンダーの男性の葛藤をファッションにフォーカスして描いたドキュメンタリー作品『Suited』を制作している。

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バラク・オバマ

バラク・オバマは在任中に同性婚を公で支持する初の米大統領だ。

2012年、彼はABCニュースの取材に対して、「ある時点で、私個人にとって、前に進み出て、同性のカップルが結婚できるように賛同することは重要だと結論付けました」と語った。

昨年、アメリカの連邦最高裁判所が同性婚を憲法上の権利として認めるという判断を下した際、オバマは以下のように述べた。「我が国は、人は平等に作られた、という基本原則の上に建国されました。それぞれの世代の取り組みはそれらの建国の言葉の意味を時の変化によるリアリティで埋めることなのです」

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ダニエル・ラドクリフ

2012年に『Attitude』誌の表紙インタビューで、ハリポタ俳優のダニエル・ラドクリフは同性婚についての自分の考え方を明らかにした。

「どこでも同性婚が合法化されるべき究極の理由は、子供が父と母を見ると、彼らは結婚している。一方で、ゲイのカップルに目を向ければそれと同じだけの時間を一緒に過ごしているにも関わらず、結婚できないでいるために彼らの関係性は同じようには見えない。同性愛の人々はどこにいても法的な平等が得られるべきだよ」

「もしも同性愛者の若者として成長し、ほかの人と同じような機会が得られないと知ったら、被害者意識や、自分に対する強い偏見を感じるはずだ」と付け加えた。

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ジュリアン・ムーア

『キッズ・オールライト』(2010)でレズビアンの母親を熱演し、今年度アメリカでヒットした『Freeheld』(原題)でもエレン・ペイジとレズビアンのカップルを演じたジュリアン・ムーアは、同性カップルへの支持をはっきり表明してきた俳優だ。

「それってとても基本的な人権問題だと思うわ。何人たりとも自分が愛した相手と結婚して、カップルや家族として表される権利があるわ。人々が後に振り返って、『それを認めるためにそんなに長い時間がかかったなんて信じられない』と言うようなことよ。それは人種差別や女性の参政権に関する問題と同等よ」

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ブラッド・ピット

「AFER(平等権を求める全米基金)」や「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」、「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」などの慈善活動を支援するブラッド・ピットと妻のアンジェリーナ・ジョリーは、カリフォルニア州が同性婚を認める法律を通過させた2014年までは結婚を差し控えていた。

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ドリュー・バリモア

『チャーリーズ・エンジェル』で知られるドリュー・バリモアは2009年、カリフォルニア州最高裁判所が「結婚は男女間でのみ成立する」という州憲法修正を合憲であるとの判決を下したことに反対して、結婚の平等を求める集会に参加した。

その集会でドリューは「今の私があるのは、成長の過程で影響を与えてくれた人々のおかげです。そして、彼らの多くは同性愛者でした。家族とはこうである、と口出しする権利は誰にもありません。我々はこの世界で何に対して戦うのか選ぶのです。もしもあなたが最も大切なもののために戦っているのなら、あなたは発言する人になるのです。そして、これは私にとって最も大切なことです」と語った。

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オプラ・ウィンフリー

米トーク番組の名ホスト、オプラは以前より同性愛者の人権擁護者であり、1997年に同性愛者であることをカミングアウトしたコメディアン、エレン・デジェネレスを支持したことで受けた人種差別に対して徹底的に論じた。

後に彼女は以下のように発言している。「文字通り、自由になって、観客の前で100%正直に自分を表現できるようになったことで、観客は彼女に恋したのよ」

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ケリー・ワシントン

2015年、「中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟(GLAAD)」のアワードで、ワシントンはLGBTコミュニティの強い支持者たるセレブに贈られる「Vanguard Award」賞を受けた。

「我々はお互いに対抗してきて、その他のカテゴリーに分類された人間にはテーブルに限られた席しかないように感じてきました」。

「その他の人々として成功するために、我々は自分以外の"その他の人"を拒絶しなければいけない、さもないと認められない、と教えられてきました」。彼女のスピーチは知的で、思慮に満ち、力強く、「もはや、初めてでも例外でも、レアでも、唯一でもない」状況になるまで、メディアで多様な表現がされなくてはいけない、と主張している。

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ピンク

ピンクが2010年に発表したシングル曲「Raise Your Glass」のミュージックビデオは彼女が実際に参加した同性愛者の結婚式に基づいている。

彼女はMTVに対して以下のように語った。「我が家の庭で親友の結婚式をしたの。彼女は同性愛者で、妻と結婚した。とても美しい情景だった。式の最後に、彼女の母親が『どうしてこれが法に背くことなのかしら?』と言って泣き出したの。それは今まで経験した中で一番心を痛めることだった。それがビデオのテーマに選んだ理由よ」

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ビヨンセ

昨年のゲイ・プライドの後、ビヨンセは虹色のビキニとアクセサリー、ドレスをまとって踊る17秒のクリップをインスタグラムに投稿して、LGBTQ問題や同性婚の合法化に対する彼女の支持をシェアした。

それ以前にも、「If you like it you should be able to put a ring on it #WeWillUnite4MarriageEquality(=本当に好きなら、指輪を贈ることができなくちゃいけない)#結婚の平等のために団結を」と自身のシングル曲「Single Ladies (Put A Ring On It)」の歌詞をもじったメッセージを手書きのメモでインスタグラムに投稿している。

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ジェイ・Z

2012年のバドワイザー社が主催する音楽祭のプレスカンファレンスでラッパーのジェイ・Zは、同性婚に反対する主張はどれも「国を押しとどめている」と発言し、同性婚に対する支持を表明した。

「人が家の中で何をしてるかは、その人の勝手だ。それに、自分が愛する人を愛していい。それも人の勝手さ。黒人差別と何ら変わらない。単なる差別だよ。」

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アン・ハサウェイ

ゲイであることをカミングアウトしている兄弟がいるアン・ハサウェイ。彼女はハラスメントを受けるLGBTの青少年に向けてポジティブなメッセージを発信する「イット・ゲッツ・ベター・プロジェクト」やLGBTQの若者の自殺問題に取り組む組織「トレバー・プロジェクト」を支持しており、2008年には「ヒューマン・ライツ・キャンペーン(HRC)」で「Ally Award」を受賞した。

スピーチの中で、彼女は「私は同性婚や同性愛カップルによる養子縁組など、基本的な同性愛者の人権擁護を表明することで勇敢だと言われてきました。しかし、お言葉ですがそうは思いません。」

「私は勇敢になろうとしているわけではなく、寛大な人間になろうとしているのです。そして、そのことや私が信ずる、愛とは人間的経験であり、政治的意思表明ではない、ということを発言することで賞を受けるべきだとは思いません」

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レディー・ガガ

長年LGBTQの支持者で、バイセクシャルであることを公言しているガガは、同性愛者やトランスジェンダーの人々の人権擁護について声を上げてきた。

2009年に「International Video of the Year Award」を受賞した際、彼女は「神と同性愛者たち」に賛辞を述べた。そして、同年の『Out』誌のインタビューでは「ぜひゲイ・カルチャーをメインストリームに乗せたい」と発言している。

「それは私にとって前衛的な道具なんかじゃないの。それは私の人生そのもの。だからいつも、リアルなモチベーションがゲイの世界を変えることができる、と冗談ぽく言ってるのよ」

2010年、ガガは「MTVビデオ・ミュージック・アワード」にアメリカ軍の同性愛に対する方針「Don't Ask, Don't Tell(=聞くな、言うな)」を理由に、軍人を辞めた陸軍兵士たちを連れて登場した。その夜、彼女はかの有名な"生肉ドレス"を身に着け、以下のように述べた。「もしも、我々が自分たちの信ずることのために立ち上がらず、我々の権利のために闘わなければ、すぐに私たちの権利は、我々の骨の上についた肉と同じようにわずかなものになるでしょう」

また、2011年に発表した「ボーン・ディス・ウェイ」は歌詞で"transgendered"という言葉を使った初の曲となった。2013年には彼女はロシアでライブを行い、同国の「同性愛プロパガンダ禁止法」に反対の意を表し、「今夜は、ここが私の家よ、ロシア。私の家の中では同性愛者でいられるわ」と群衆に呼びかけた。

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ジャスティン・ティンバーレイク

2011年にニューヨーク市が同性婚を合法化した際、ジャスティンは『Advocate』誌のインタビューで、「それが起きたことで、僕はワクワクしてるんだ。それってまさに、我々が人間であり、だれもが違っている、っていうことだと思うから」と語った。

「そして僕たちはお互いの違いから、互いに身を寄せ合うべきなんだ。これは平等の本当に偉大なる勝利だよ。僕はNYが、何が正しいか、ということに対して立ち上がる勇気があることを、本当に誇らしく思うよ」

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マイリー・サイラス

2015年に「MTVビデオ・ミュージック・アワード」のホストだったマイリーは、自身が設立した若年ホームレスを支援する非営利団体「Happy Hippie Foundation」と連携して、LGBTの若者を招待し、ショーのクロージングナンバーを歌うマイリーが登場する際は、彼らが紹介役を務めた。さらに舞台にはドラァグ・クイーンの勝ち抜き番組『ル・ポールのドラァグ・レース』に出演するドラァグ・クイーンたちも登場した。

他にも、マイリーは昨年、UK版エルで自身のセクシャリティは"パンセクシャル(全性愛)"だと語り、「私はとてもオープンなの」と認めている。

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Translation & Text: Naoko Ogata Photo: Getty Images

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