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運用担当部局:広報室広報係

特別講義『ジェンダーとセクシュアリティ』で性への向き合い方を語る

 性同一性障害である自らの生き方をメディアなどで発信している杉山文野氏が,12月15日(月)の特別講義『ジェンダーとセクシュアリティ』で,ゲスト講師として教壇に立ちました。杉山氏は元フェンシング女子日本代表で,現在はNPO法人ワセダクラブジュニアフェンシングスクールのコーチを務めながら,ジェンダーや人権などを専門に,メディア出演や講演活動を展開しています。
 現在,LGBT(女性同性愛者,男性同性愛者,両性愛者およびトランスジェンダーの頭文字をとったセクシュアルマイノリティの総称)は世界で5.2%の割合で存在するとされています。大手企業もそうした人々に向けた商品やPRを積極的に打ち出しており,社会的な理解が進んできています。しかし,杉山氏の幼いころはセクシュアルマイノリティに関する情報が乏しく,自身を男性と意識する心と女性へと変化する身体との不一致に苦しみました。
 1998年に性同一性障害の患者に国内初の公式性別適合手術を施行するというニュースから,初めて性同一性障害という言葉を知り,視界が開けたといいます。その後,多様な性を生きる人たちとの交流を機に, 2006年,自叙伝『ダブルハッピネス』を発表すると,世界中から激励と共感のメッセージが届きました。以降もさまざまな媒体から啓発活動を続けています。
 自身の心境に変化をもたらしたきっかけとして,フェンシングとの出会いを挙げ,「当時はつらいことをすぐ性の不一致に結びつけ,逃避していましたが,勝負の世界に身を置き,一時のつらさ,苦しさも,人生における成長の糧になるとわかりました。コンプレックスをいかに受け止め,次の一歩を踏み出すかが大切なのだと思います」と締めくくりました。
 講義後,教室のいたるところで響き渡る拍手の音が,学生の感動を物語っていました。

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[左写真]ゲスト講師の杉山文野氏
[右写真]講義の様子

(総務企画課)