文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ニュース

ニュース・解説

「長時間の叱責繰り返す」「性的指向・病歴を暴露」…パワハラ指針

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック
「長時間の叱責繰り返す」「性的指向・病歴を暴露」…パワハラ指針

 職場での「パワーハラスメント」の防止に向け、労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の分科会は20日、企業に求める具体的な対策を盛り込んだ指針をまとめた。パワハラに該当する例と該当しない例を示しており、厚労省は、パワハラ防止を企業に義務づける改正労働施策総合推進法が施行される来年6月までに指針を周知する方針だ。

 指針では、「必要以上に長時間、 叱責(しっせき) を繰り返す」「新人に高い目標を課し、達成できないと厳しく叱る」などがパワハラに当たるとした一方で、「ルールを欠いた言動を強く注意する」「育成のために少し高いレベルの業務を任せる」などは該当しないとした。

 パワハラを巡っては、被害を受けた労働者の精神疾患発症や自殺が問題化する一方で、企業関係者からは「指導との線引きがあいまい」といった戸惑いの声が上がっていた。このため分科会は今回、該当例とともに、あえて「該当しない例」も指針に盛り込んだ。

id=20191121-027-OYTEI50001,rev=3,headline=false,link=true,float=left,lineFeed=true

 ただ、労働者側からは「該当しない例が拡大解釈され、企業の『パワハラ逃れ』に利用される」といった反発も出ている。厚労省は「指針の例が全てではない。あらゆる要素を総合的に判断してパワハラかどうかは決まる」として、今後、パンフレットなどを作成して適切なパワハラ防止策の実施を各企業に求める。

 指針ではこのほか、就業規則でパワハラ防止の方針を示すことや、加害者の懲戒規定を設けること、相談窓口の設置などを盛り込んだ。違反した企業については、厚労省が指導や勧告、企業名の公表を行うことが可能になる。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

ニュースの一覧を見る

最新記事