Fichier de travail (INPUT) : ./CONTEXTES/espace.txt
Encodage utilisé (INPUT) : UTF-8
Forme recherchée : 家庭|家族|(F|f)am(í|i)lia(s?)
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- Ligne n°1 : 小泉 八雲 の 家庭 生活
Ligne n°13 : ... とく 、 理想 の 桃源郷 や フェアリイランド で は なかっ た ―― 後年 彼 は 友人 に 手紙 を 送り 、 ここ も また 我 が 住む べき 里 に 非 ( あら ) ず と 言っ て 嘆息 ( たん そく ) し- Ligne n°14 : た ―― けれども 、 貞淑 ( てい しゅく ) で 美しい 妻 を めとり 、 三 人 の 愛児 を 生み 、 平和 で 楽しい 家庭 生活 を する よう に なっ て から 、 寂 ( さび ) しい ながら も 満足
Ligne n°15 : な 晩年 を 経験 し た 。 ヘルン 自ら 、 絶えず それ を 羞恥 ( しゅうち ) し た ごとく 、 彼 の よう に 短 身 矮躯 ( わ いく ) で 、 かつ 不具 に 近い 近眼 の 隻眼 者 ( せき がん しゃ ...
Ligne n°24 : ... ) たる 辛苦 ( しん く ) を 嘗 ( な ) め つくし て 、 しかも 常に 魂 の 充 ( み ) たさ れ ない 孤独 ( こ どく ) に 寂し ん で い た ヘル ン にとって 、 日本 は ついに その ハイマー- Ligne n°25 : ト で なかっ た に しろ 、 すくなくとも その 妻 に 抱擁 ( ほう よう ) さ れ た 家庭 だけ は 、 彼 の 最後 に 祝福 さ れ た 、 唯一 ( ゆい い つ ) の 楽しい 安住 の 故郷 で あっ た 。 お
Ligne n°26 : そら く ヘルン は その 時 初めて 心 の 隅 ( すみ ) に 、 幸福 という 物 の 侘 ( わび ) し い 実体 を 見 た の で あろ う 。 ...
Ligne n°26 : ... そら く ヘルン は その 時 初めて 心 の 隅 ( すみ ) に 、 幸福 という 物 の 侘 ( わび ) し い 実体 を 見 た の で あろ う 。- Ligne n°27 : すべて 貧困 の 家 に 育ち 、 肉親 の 愛 に めぐまれ ずし て 家庭 的 、 環境 的 ( かん きょう てき ) の 不遇 ( ふぐ う ) に 成長 し た 人々 は 、 その かつて 充たさ れ なかっ た 心
Ligne n°28 : の 飢餓 を 、 他 の 何 物 に も 増し て 熱情 する ため 、 後に 彼 が 一家 の 主人 と なっ た 場合 、 その 妻子 の 忠実 な 保護 者 と なり 、 家庭 を 楽園 化 する こと に 熱心 で ある 。 ラフ ...
Ligne n°27 : ... すべて 貧困 の 家 に 育ち 、 肉親 の 愛 に めぐまれ ずし て 家庭 的 、 環境 的 ( かん きょう てき ) の 不遇 ( ふぐ う ) に 成長 し た 人々 は 、 その かつて 充たさ れ なかっ た 心- Ligne n°28 : の 飢餓 を 、 他 の 何 物 に も 増し て 熱情 する ため 、 後に 彼 が 一家 の 主人 と なっ た 場合 、 その 妻子 の 忠実 な 保護 者 と なり 、 家庭 を 楽園 化 する こと に 熱心 で ある 。 ラフ
Ligne n°29 : カジオ・ヘルン の 場合 も 、 また その 同じ 例 に もれ なかっ た 。 彼 が 日本 に 帰化 し た こと も 、 普通 ( ふつう ) の 常識 が 思惟 ( しい ) する よう に 、 日本 を 真に 愛し た ...
Ligne n°34 : ... ら 、 日本 に 幻滅 し た 最初 の 日 に 、 再度 また 『 まだ 知ら ぬ 新しい 国 』 を 探す ため に 、 あて の ない 漂泊 の 旅 に 出発 し た に ちがい なかっ た 。 だが その 時 、 彼 は その 妻- Ligne n°35 : や 子供 の こと を 考え た 。 既 ( す で ) に 老い の 近づい た ヘルン は 、 自分 の 死後 における 妻子 の 地位 を 考え た 。 そして 国籍 ( こく せ き ) を 持た ない 家族 が 、 財産 上
Ligne n°36 : に も 生命 上 に も 、 日本 の 政府 から 保護 を 受け 得 ない こと を 考え た 。 しかも その 妻 の ごとき 、 純 日本 的 な 可憐 ( かれん ) な 女 を 、 彼 の いわゆる 『 野蛮 人 ( や ばん ...
Ligne n°75 : ... 名義 上 、 小泉 家 の 養子 たる 彼 にとって は 、 姑 ( しゅうとめ ) の 義母 に 当る 老 婦人 で ある 。 ヘルン は その 妻 と共に 、 姑 の 老 婦人 と 一家 に 同居 し 、 純 日本 風 の 仕方- Ligne n°76 : で よく 孝養 の 道 を 尽し た 。 この 姑 の 婦人 も また 、 旧 武士 の 家庭 に 育っ た 士族 の 娘 ( むす め ) で 、 純 日本 風 の 礼儀 ( れい ぎ ) 正しき 教育 を 受け 、 かつ 極めて 善良
Ligne n°77 : に 優しい 心根 の 人 で あっ た 。 ヘルン の 文学 に 出る 日本 婦人 の モデル は 、 多く その 妻 に 非 ( あら ) ず ば 姑 の 老 婦人 だ と いわ れ てる が 、 すくなくとも ヘルン は 、 こ ...
Ligne n°91 : ... しかし 彼 の 精神 生活 は 、 反対 に 極めて デリケート で 贅沢 だっ た 。 いやしくも その 詩興 を 損 ( そこ な ) い 、 趣味 ( し ゅみ ) を 害する よう な もの は ―― 人 で も 、- Ligne n°92 : 家具 で も 、 物音 でも ―― 絶対 に その 家庭 に 入れ なかっ た 。 書斎 ( しょ さい ) に 仕事 を し て いる 時 の ヘルン は 、 周囲 の ちょっとした 物音 に も 、 すぐ 『 私 の 考え 破
Ligne n°93 : れ まし た 』 と いっ て 、 腹 立 しく ペン を 投げ た 。 夫人 は その 追想 記 の 中 で 、 箪笥 ( たんす ) の 抽出 ( ひきだし ) を 開ける に さえ も 、 そ ッ と 音 を 立て ぬ よう に 気 を ...
Ligne n°93 : ... れ まし た 』 と いっ て 、 腹 立 しく ペン を 投げ た 。 夫人 は その 追想 記 の 中 で 、 箪笥 ( たんす ) の 抽出 ( ひきだし ) を 開ける に さえ も 、 そ ッ と 音 を 立て ぬ よう に 気 を- Ligne n°94 : つけ た と 書い て いる 。 しかし その他 の 場合 で は 、 罪 の ない 笑 談 ( じ ょうだん ) を 言っ たり し て 、 妻 や 子供 の 家族 を 笑わせ 、 女中 まで も 仲間 に 入れ て 、 一家 団欒
Ligne n°95 : ( だんらん ) の 空気 を 作っ た 。 ...
Ligne n°127 : ... ょう 。 今日 パパ さん 、 大久保 に お出で 下され 。 私 この 家 に 、 朝 さよなら し ます 。 と 大学 に 参る 。 よろしい の 時 、 大久保 に 参り ます 。 あの 新しい 家 に 。 ただ これ- Ligne n°128 : だけ です 』 と 煩 ( わ ずら ) わし そう に 言っ た 。 こうした ヘルン の 日本語 は 、 ヘルン の 家族 以外 の 人々 に は 、 容易 に 意味 が わから なかっ た 。 家族 の 人々 は 、 それ
- Ligne n°128 : だけ です 』 と 煩 ( わ ずら ) わし そう に 言っ た 。 こうした ヘルン の 日本語 は 、 ヘルン の 家族 以外 の 人々 に は 、 容易 に 意味 が わから なかっ た 。 家族 の 人々 は 、 それ
Ligne n°129 : を 『 ヘルン さん 言葉 』 と 呼ん で 面白 がっ た 。 そうした 奇妙 ( きみ ょう ) な 日本語 は 、 時に しばしば 、 家庭 内 の ユーモラス な 流行 語 と なっ た で あろ う 。 化物 屋敷 ...
Ligne n°128 : ... だけ です 』 と 煩 ( わ ずら ) わし そう に 言っ た 。 こうした ヘルン の 日本語 は 、 ヘルン の 家族 以外 の 人々 に は 、 容易 に 意味 が わから なかっ た 。 家族 の 人々 は 、 それ- Ligne n°129 : を 『 ヘルン さん 言葉 』 と 呼ん で 面白 がっ た 。 そうした 奇妙 ( きみ ょう ) な 日本語 は 、 時に しばしば 、 家庭 内 の ユーモラス な 流行 語 と なっ た で あろ う 。 化物 屋敷
Ligne n°130 : の 一 件 以来 、 おそらくは 『 面白い の 家 』 という 言葉 など が 、 一種 の 反語 として 家族 中 に 流行 し 、 すべて の 不潔 の 家 、 陰気 な 家 など を 指す 代名詞 に なっ た で あろ ...
Ligne n°129 : ... を 『 ヘルン さん 言葉 』 と 呼ん で 面白 がっ た 。 そうした 奇妙 ( きみ ょう ) な 日本語 は 、 時に しばしば 、 家庭 内 の ユーモラス な 流行 語 と なっ た で あろ う 。 化物 屋敷- Ligne n°130 : の 一 件 以来 、 おそらくは 『 面白い の 家 』 という 言葉 など が 、 一種 の 反語 として 家族 中 に 流行 し 、 すべて の 不潔 の 家 、 陰気 な 家 など を 指す 代名詞 に なっ た で あろ
Ligne n°131 : う 。 それ は 結果 において 、 一層 八雲 の 家庭 を 楽しく 団欒 的 の もの に し た 。 ...
Ligne n°130 : ... の 一 件 以来 、 おそらくは 『 面白い の 家 』 という 言葉 など が 、 一種 の 反語 として 家族 中 に 流行 し 、 すべて の 不潔 の 家 、 陰気 な 家 など を 指す 代名詞 に なっ た で あろ- Ligne n°131 : う 。 それ は 結果 において 、 一層 八雲 の 家庭 を 楽しく 団欒 的 の もの に し た 。
Ligne n°132 : しかし ヘルン の 奇妙 な 言葉 を 、 真に 完全 に 理解 し 得 た もの は 、 彼 の 妻 より 外 に は なかっ た 。 そういう 場合 に 、 妻 も また ヘルン さん の 言葉 を 使っ て 応答 し た 。 ...
Ligne n°143 : ... 『 人生 で いちばん 楽しい 瞬間 ( しゅん かん ) は 』 と ゲーテ が 言っ てる 。 『 だれ に も 解ら ない 二 人 だけ の 言葉 で 、 だれ に も 解ら ない 二 人 だけ の 秘密 や 楽しみ や を- Ligne n°144 : 、 愛人 同士 で 語り合っ て いる 時 で ある 』 と 。 同じ 家 の 中 に 住ん でる 家族 の 者 に さえ も 、 ほとんど 全く 解ら ない 不思議 な 言葉 で 、 何 時間 も 倦 ( あ ) き ず に 睦 じ く
Ligne n°145 : 語り合っ て た 二 人 の 男女 こそ 、 この世 における 最も 理想 的 に 幸福 な 夫婦 で あっ た 。 すべて の 恋 する 人々 は 、 自分 等 以外 に 全く 人影 ( ひと かげ ) の ない 離 ( はな ...
Ligne n°148 : ... ( きょう らく ) し て い た の で あっ た 。- Ligne n°149 : 晩餐 ( ばん さん ) の 時 、 ヘルン は いつも 二 三 本 の 日本 酒 を 盃 ( さかずき ) で 傾 ( かた む ) け ながら 、 甚だ 上機嫌 に 朗 か だっ た 。 夫人 や 家族 の 者 たち は 、 彼 の
Ligne n°150 : 左右 に 侍 ( は べ ) って 酌 ( しゃく ) を し ながら 、 その 日 の 日本 新聞 を 読ん で きかせ た 。 ( ヘルン 自身 に は 、 英字 新聞 しか 読め なかっ た から 。 ) ある 日 の 新聞 に ...
Ligne n°229 : ... こうした 手紙 の 中 に 、 ヘルン の 大 得意 な 満悦 ( まんえつ ) さ が 現われ て いる 。 実際 彼 の 妻 の よう に 、 良人 に対して 忠実 な 奉仕 を する 女性 は 、 普通 の 西洋 婦人- Ligne n°230 : の 中 に は ほとんど なく 、 これ ほど また 男 が 殿様 扱 ( と の さ まあ つか ) い に さ れる 家庭 生活 も 、 西洋 で は 考え 及ば ない こと で ある から 、 ヘルン の 手紙 を よん だ 外
Ligne n°231 : 国人 たち が 、 いかに その 日本 の 友人 を 羨望 ( せんぼう ) し た か が 想像 さ れる 。 ヘルン 自身 も 、 もちろん また それ を 意識 し て 書い てる ので 、 『 どう だ 。 羨 ( うら ...
Ligne n°235 : ... 体 と なる こと の 奉仕 で ある 。 そして その ため に は 、 人 の 心理 を 洞察 ( どうさつ ) する 聡明 ( そうめい ) な 智慧 ( ち え ) と 、 絶えず 同化 しよ う と 努める ところ の- Ligne n°236 : 、 献身 的 な 意志 と 努力 が 必要 で ある 。 ヘルン の 妻 で あっ た 日本 女性 は 、 もとより 極めて 聡明 で あっ た と共に 、 武士 道 ストイシズム の 家庭 教育 から 、 非常 な 意志
Ligne n°237 : の 力 を もっ て 努力 し た 。 彼女 は 自ら それ を 告白 し て 、 良人 の 気性 を すっかり 呑 ( の ) み 込 ( こ ) むようになるまでは 、 一 通り で ない 努力 を し た と 言っ てる 。 し ...
Ligne n°257 : ... 、 ヘル ン に対して 、 何 か いじらしく 涙 ( なみ だ ) ぐましいものさえも 感じ た という の で ある 。- Ligne n°258 : そうした ヘルン の 家庭 で は 、 自然 界 の ちょっとした 出来事 や 現象 や が 、 いつも 物 珍 ( も のめ ず ) らしく 大騒ぎ の 種 に なる の で あっ た 。 たとえば 裏 の 竹 藪 ( た
Ligne n°259 : けやぶ ) に 蛇 が 出 た とか 、 蟇 ( ひき ) が 鳴い てる とか 、 蟻 ( あり ) の 山 が 見つかっ た とか 、 梅 ( うめ ) の 花 が 一 輪 咲 ( さ ) い た とか 、 夕 焼 が 美しく 出 て いる と ...
Ligne n°273 : ... 西大久保 の 家 に 移っ た 時 は 、 ヘルン 夫妻 と 姑 の 外 に 、 子供 が 三 人 。 女中 が 二 人 、 書生 が 一 人 、 老僕 ( ろう ぼく ) が 一 人 、 他 に 抱車夫 ( かかえ し ゃふ ) が 一 人- Ligne n°274 : という 大 家族 で あっ た ので 、 家 も 相当 に 広く 、 間 数 が いくつ も あっ て 廊下 ( ろう か ) 続き に なっ て い た 。 しかし ヘル ン が 仕事 を し て いる 時 は 、 家人 が 皆 神経質
Ligne n°275 : に 注意 し て いる ので 、 家中 が ひ ッ そり として 閑寂 ( かん じゃ く ) に 静まり返っ て い た 。 そういう 時 の 夜 など に 、 ヘルン の 書斎 から 法螺貝 の 音 が 聞え て 来る と 、 ...
Ligne n°320 : ... ※ 「 馳 ( かけ ) つけ 」 と 「 駈 ( か ) け つけ 」 、 「 二 三 合 の 日本 酒 」 と 「 二 三 本 の 日本 酒 」 の 混在 は 、 底本 通り です 。- Ligne n°321 : ※ 表題 は 底本 で は 、 「 小泉 八雲 ( やくも ) の 家庭 生活 」 と なっ て い ます 。
Ligne n°322 : ※ 副題 は 底本 で は 、 「 室生 犀星 ( むろうさいせい ) と 佐藤 春夫 ( さとう は る お ) の 二 詩 友 を 偲 ( しの ) びつつ 」 と なっ て い ます 。 ...