#alternate 編集 Wikipedia (ja) ケバブ 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ナビゲーションに移動 検索に移動 アフガニスタン料理店のカバーブ ケバブ(トルコ語: Kebap)は、中東とその周辺地域で供される、肉・魚・野菜などをローストして調理する料理の総称。アラビア文字表記はكباب (kabāb) で、日本語ではカバブという表記も一般的である(シシカバブを参照)。 中東諸言語のうちで「ケバブ」はペルシア語あるいはトルコ語に由来するものであるが、現代トルコ語では語末の子音が無声化して「kebap」と表記され る。その他周辺各国では、カワープ(ウイグル)、ケベプ(キルギス)、カバーブ(インド・パキスタン・アフガニスタン・アラブ)、キャバーブ(イラン) 、チェヴァプ(バルカン)などと呼ばれる。 [ ] 目次 * 1 概要 * 2 語源 * 3 串焼きのケバブ * 4 ドネルケバブ * 5 中東諸国以外での普及 * 6 日本での普及 * 7 脚注 * 8 関連項目 * 9 外部リンク 概要[編集] ケバブのもっとも典型的な調理法は、四角形に切った肉を串に刺して焼いたものである。トルコでは、串焼きのケバブのほか、ヨーグルトを添えて食べるイス ケンデルケバブ (İskender Kebabı) や、味付けした肉を重ねて固まりにし、回転させながら焼いたものを削ぎ切りしたドネルケバブ (Döner Kebabı) などのバリエーションがあり、様々な焼肉料理がケバブと総称される。なお、焼く代わりに煮込んだり、揚げたり、蒸したりする肉料理もカバブと呼ばれるこ とがある。ウイグルのカワープも炒め肉も含めた焼肉の総称である。 同地域では、挽肉を固めたハンバーグやミートボールにあたる肉料理にはトルコではキョフテ (köfte) 、アラブ諸国ではクフタ (کُفتة kufta) あるいはコフタ、イランではクーフテ (کُفته kofte) 、インドではコーフター (कोफ़्ता kōftā) 、アルメニアではキュフテ (Keufteh) という名前があるが、トルコやイラン、アフガニスタンでは挽肉をつくね状にして平たい金属製の串に巻いて焼いたものはケバブ料理に含まれ、コフタ・カバ ーブと呼ばれる。なお、イラクではコフタを串に巻いて焼いたものをカバーブと呼び、四角形に切った肉を串に刺して焼いたものをティッカ (تكة tikkah) と呼ぶ。 語源[編集] アッカド語には「焼く」または「焦がす」という意味の「カバブー」 (kababu) という言葉があり、これからアラビア語の「カバーブ」が派生したという説がある^[1]。 串焼きのケバブ[編集] シシュケバブにオルゾのピラフ、タマネギ、トマトなどを添えたもの チェロウ、焼いたトマトとトウガラシ、ヨーグルト、ピクルス、ライム等を添えたイランのキャバーブ 詳細は「シシカバブ」を参照 串焼きのケバブは、日本ではインド料理のシークカバブが早くに紹介され、それがトルコ風に訛った「シシカバブー」という名前で親しまれてきた。近年、ト ルコ料理としてのシシュケバブが紹介されるにつれ、もともと同じ料理だが調理法の異なるシークカバーブとシシュケバブが混同され、日本で古くから親しま れてきた本来インド料理であるシークカバブの本場もトルコであるとの誤解も生じているようである^[2]。 トルコなどのイスラム教国の場合、ケバブには主に羊肉、牛肉、鶏肉が使われ、魚肉も使われることがある。ウイグルではアヒルや各種野鳥も使われることが ある。ヒンドゥー教徒が多いインドでは、ムスリム専用食堂など一部の場を除いてシークカバーブに牛肉が使われることはなく、もっぱら羊肉や山羊肉が使用 される。ほか魚や鶏肉のシークカバーブもあるが、羊のものに比べればあまり一般的ではない。 イランの国民食は、角切りにしたヒレまたはサーロインを串に刺して焼いたキャバーベ・バルグ (کباب برک kabāb-e barg) または味つけした挽肉を串に巻いて焼いたキャバーブ・クービーデ(کباب کوبیده kabāb kūbīde) をチェロウ (جلو chelow) という白いピラフの上にのせて食べる「チェロウ・キャバーブ」である。 串焼きのケバブの標準的なサイズは各地で差があり、日本の焼き鳥程度の20cm程度の串を使う地域から、40cm程度の剣のような串を使う地域もあれば 、クチャ県の1m近い巨大な串を使う例まである。 ドネルケバブ[編集] 「ドネルケバブ」も参照 ウィキメディア・コモンズには、ドネルケバブに関連するカテゴリがあります。 ドネルケバブ ケバブ店のメニュー、2006年にリヨンにて。ピタに挟んだケバブが4ユーロ、皿に盛ったケバブは7ユーロ。 ドネルサンド 露店のケバブ ドネルケバブ(ドナーケバブ、英: Doner kebab、トルコ語: Döner Kabap)は垂直の串に味付けした肉を上から刺していって積層し、水平に回転させながらそれを囲んだ縦型グリル(主にガスと電気、以前は炭火が使われ ていた。現在でも中東の一部では使用している地域がある)の熱で外側から焼き、焼けた部分から順次肉を削ぎ落としたもので、ギリシア料理のギロ、イロ gyro、アラブ料理のシャワルマ、シャワールマ شوارمة(イラクではグス Guss)とほぼ同じ料理である。 トルコでは羊肉、鶏肉が主に使われ、レストランでは皿に盛って供されるが、屋台ではパンにサラダと一緒に挟む食べ方でテイクアウトメニューになっている 。 欧米や日本では、トルコでのドネルケバブの食べ方の一例である、パンに野菜サラダと一緒に挟む食べ方が広まっており、ギリシャ風にギロと呼ばれることも 多い。トルコではフランスパンのような棒状のパンを使うが、海外では丸いパンをふたつに割ったものにサンドするのが一般的で、ドネルサンドなどと呼ばれ ている。肉も、羊肉の代わりに牛肉が使われることが多い。台湾ではシャワールマを音訳した「沙威瑪」(シャーウェイマー、shāwēimǎ)の名で鶏肉 のドネルケバブとキャベツなどを細長いパンに挟んだものを販売する屋台が増えつつある。中国では「トルコ焼肉」の名でのドネルケバブとキャベツなどを中 国式焼きパンに挟んだものを販売する屋台がある。また、中国南部では、豚肉を使用するにも「トルコ焼肉」の名で販売するの独特の料理がある。 また、ドネルケバブのサンドイッチに使われるパンが、円形で内部が空洞のピタを半分に切って袋状にしたものであることもあり、その場合、袋状の内部にケ バブとサラダが入っている。 また、ケバブとサラダをパンに挟んだあとに、チリソースやハリッサなどのソースをかけることがある。ドネルケバブの肉には、香辛料やヨーグルトを用いて あらかじめ十分味付けをしてあるため、トルコでは調理後の味付けは塩を振る程度である。 中東諸国以外での普及[編集] バルカン半島 オスマン帝国の支配下にあったバルカン半島では、チェヴァプチチ、チェヴァピ、ケバプチェなどと呼ばれる小型のハンバーグ状のケバブが伝統料理として定 着している。 ヨーロッパのその他の地 ヨーロッパのその他の地域では、ドイツにトルコ系の移民が持ち込んだドネルケバブが一般的で、ドネルケバブがファーストフードの定番となるほど広まって いる。ドイツはトルコ移民が多くケバブ・ケバブピザ・ドネルケバブをレストランやファーストフード、屋台といった様々な形態で販売しており、味も悪くな く値段も抑えられており人気がある。^[3]これはマクドナルドやバーガーキングのような外資産業のようなロイヤリティや最低賃金の歯止め規定が、ケバ ブ売りにはまったく存在しないためである。 フランス フランスでは、ドネルケバブにはフライドポテトがつきもので、チュニジア発祥の唐辛子ソースハリッサをかけて食べる。価格はだいたい5ユーロ前後である 。 パキスタン パキスタン西部のパターン人の多い地域では、串に巻かず平べったく捏ねてフライパンで焼くチャプリ・カバーブが食されている。チャプリ・カバーブは「サ ンダルのカバブ」という意味のウルドゥー語「チャッパル・キー・カバブ」が変化したもので、平べったい様がサンダルを連想させることから名づけられたと 推測される。 ロシア ロシアでは、1870年にモスクワで初めてシシュ・ケバブ風の「シャシュリク」を売り物にするレストランが開店した。初期のシャシュリクは主にカフカー ス地方風のケバブで、後には中央アジア風のケバブもシャシュリクとして知られるようになり、ソ連時代に全域に広がった。タマネギやハーブなどとともに酢 ・ワインなどに長時間漬け込んで下味をつけ、串に刺して焼く人気料理である。なお、ドネルケバブは料理書などでは「シャシュリク・ポ・カルスキー」( shashlyk po-Karski 、カルス風シャシュリク)^[4]としても知られているが、路上で一般的に呼ばれているものはモスクワではシャウルマー、サンクトペテルブルクではシャ ヴェールマと呼ばれている。しかし「モスクワでこの料理に対して『ドネルケバブ』や『薄いパンに挟んだ肉』という名称を使い始める店が増加している」、 「サンクトペテルブルクでシャウルマーという名称を使う店が増加している」、「上記2都市以外では別の名称を使用している場合がある」、と呼称には地域 と時代によりゆれがある。なお、ロシア語には「国土の広さの割りには都市・地方ごとの方言的なゆれは比較的少ない」という特徴があるが、シャウルマーと シャヴェールマは「鶏肉」「縁石」などと並び、あまり多くない「モスクワとサンクトペテルブルクの二都市の間で呼称が異なる名詞」の代表例の一つである 。 中国 中国では中規模以上の都市には、清真料理店としてウイグル料理店や新疆料理店があることが多く、それらの店の店頭や露店でジク・カワープ(烤羊肉串、k ǎo yángròuchuànr)を焼いて供する姿は全国各地で見ることができる。 アメリカ アメリカ合衆国では、カバブ(しばしば"kabob"と表記)というとむしろ串焼き料理であると認識されている。アメリカではビーフ・カバブ、チキン・ カバブのほかにベジタブル・カバブと呼ばれるようなものまであり、ピーマン、タマネギ、ズッキーニ、豆腐やマッシュルームなどが主に使われる。肉のカバ ブでも、肉と野菜を交互に刺すことも多い。英語でケバブというと普通シシュ・ケバブまたはドネルケバブを指す。ドネルケバブはギリシア料理のイロとして 最も良く知られており、名称の知名度ではシャワールマとドネルケバブがこれに続く。 カナダ カナダでは、1970年代始めごろ、ドネルケバブにエバミルク、砂糖、酢などを材料とした甘酸っぱいソースをかけ、刻んだトマトと玉葱と一緒にピタのよ うな平焼きパンで巻いた「ドネア (donair) 」がノバスコシア州ハリファックスに現れて以来、全国に普及した。現在「ドネア」はグレコ・ピッツァ・レストラン (Greco Pizza Restaurant) をはじめとするピザチェーンの人気メニューとなっている他、パン、ソースと肉をセットにした「ドネアセット」が市販されている。 ブラジル ブラジルでも第一次大戦前後にシリアなどから移住したトルコ人が持ち込んだものが普及している。やはりコッペパン状の長めのパンに切れ目を入れてモーリ ョ (Molho) と呼ばれる細かく切った野菜サラダと共に肉を挟み、オレンジジュースとともに供する。 ハンガリー ハンガリーは14世紀にトルコに支配されていた関係もあり、在住トルコ人によるドネルケバブの店が多い。特に「イスタンブール・ケバブ」と「スター・ケ バブ」というチェーン店が有名である。ハンガリー語では"gyros"(ギロシュ)と呼ばれている。パンに挟むのではなく、シリアやレバノンのシェワル マのようにラップされて食される。 日本での普及[編集] 日本では、古くからインド料理としてのシークカバブがシシカバブーと呼ばれ親しまれてきたが、新宿や原宿、六本木、秋葉原、千葉、名古屋など、在日トル コ人が増加している都市部でドネルケバブを供する屋台や移動販売車の数が増えてきた。それらの都市部やその近辺では縁日^[5]でそのような屋台が出店 することもある。日本でもヨーロッパに続いてドネルケバブが目にされるケースが増えてきた。もともと西欧ではポピュラーであったが、日本でもファースト フードとして受け入れられつつある。また、ウイグル料理店もいくつか扱っている。 日本人が羊肉を食べ慣れないことや食卓にさほど出回っていないためにおいを嫌って食べないのと、日本で羊肉の入手が困難なこともあり、日本で販売されて いるケバブのほとんどが鶏肉か牛肉を使用している。豚肉が使用されることはまずなく、また牛肉や鶏肉であっても、イスラム教徒が加工したものが使用され ている。このため中近東やアラブ系移民が多く住むヨーロッパで食べられている羊肉のケバブとは全く別物の味になっている。肉を焼く際に下味として使われ る香辛料も控えめである。また半分に切ったピタに肉とサラダを詰めたものが一般的で、マヨネーズベースのソースが掛かっていることが多い。 ケバブサンドは、ピタを半分に切った袋状の中に牛肉とタマネギやトマトなどの生野菜のサラダを入れたものであり、これにさまざまなソースをトッピングし たもので紙袋に入れて渡される。串に刺して積み上げたくず肉をヒーターで側面からあぶる、ドネルケバブで一般的な調理法を行うが、焼けて切り取られた牛 肉を冷めないように炊飯器に保管するなど独自の工夫が見られる。 また、牛丼のようにケバブを丼物として提供する、いわゆる「ケバブ丼^[6]」のスタイルで提供する店も複数見られる。 脚注[編集] 1. ^ Nasrallah, Nawal. Delights from the Garden of Eden. First Books Library, 2003. p163 2. ^ “タンドリーチキンの発祥とインド料理”. 日本ハム. 2017年2月26日閲覧。 3. ^ “ドイツで圧倒的な存在感!人気のトルコ料理ケバブとは | ドイツドットウェブ”. 2016年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月24日閲覧。 4. ^ Volokh, Anne. The Art of Russian Cuisine. Collier Books, New York, 1983. p288ー291 5. ^ “11-ケバブ1112.JPG (217x162 pixels)”. 2016年6月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月24日閲覧。 6. ^ “ケバブ丼を食べました”. tabelog.com. tabelog.com. 2021年3月9日閲覧。 関連項目[編集] Portal:食 ポータル 食 * アダナケバブ * ジャーケバブ * ドネルケバブ * シャシリク * シュラスコ * ギロピタ * チェヴァプチチ * スブラキ * アロスティチーニ * サテ * 焼き鳥 * シュハスコ 外部リンク[編集] ウィキメディア・コモンズには、ケバブに関連するカテゴリがあります。 * Webマガジン【レアリゼ】: ケバップ対シュヴァルマ(2002年8月2日 - ドイツ・ベルリンのケバブ) * ケバブ ジャパン: 【KEBAB JAPAN】(日本のケバブ) 「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=ケバブ&oldid=86417947」から取得 カテゴリ: * 肉料理 * 串料理 * ファーストフード * 中近東の食文化 * アラブ人の食文化 * レバノンの食文化 * シリアの食文化 * イラクの食文化 * パレスチナの文化 * ヨルダンの文化 * イランの食文化 * インドの食文化 * アフガニスタンの食文化 * ウズベキスタンの食文化 * トルコの食文化 * 北米の食文化 * 中南米の食文化 * バルカンの食文化 * クルディスタンの食文化 * ロースト料理 案内メニュー 個人用ツール * ログインしていません * トーク * 投稿記録 * アカウント作成 * ログイン 名前空間 * ページ * ノート [ ] 変種 拡張 折り畳む 表示 * 閲覧 * 編集 * 履歴表示 [ ] その他 拡張 折り畳む 検索 ____________________ 検索 表示 案内 * メインページ * コミュニティ・ポータル * 最近の出来事 * 新しいページ * 最近の更新 * おまかせ表示 * 練習用ページ * アップロード (ウィキメディア・コモンズ) ヘルプ * ヘルプ * 井戸端 * お知らせ * バグの報告 * 寄付 * ウィキペディアに関するお問い合わせ ツール * リンク元 * 関連ページの更新状況 * ファイルをアップロード * 特別ページ * この版への固定リンク * ページ情報 * このページを引用 * ウィキデータ項目 印刷/書き出し * ブックの新規作成 * PDF 形式でダウンロード * 印刷用バージョン 他のプロジェクト * コモンズ 他言語版 * العربية * Asturianu * Azərbaycanca * تۆرکجه * Башҡортса * Беларуская * Български * বাংলা * Català * کوردی * Čeština * Cymraeg * Dansk * ދިވެހިބަސް * Ελληνικά * English * Esperanto * Español * Eesti * Euskara * فارسی * Suomi * Français * Galego * עברית * हिन्दी * Hrvatski * Magyar * Հայերեն * Bahasa Indonesia * Italiano * Jawa * ქართული * ಕನ್ನಡ * 한국어 * Kurdî * Kernowek * Latina * Ladino * Lombard * Lingála * Lietuvių * Latviešu * Македонски * മലയാളം * मराठी * Bahasa Melayu * Nederlands * Norsk nynorsk * Norsk bokmål * ਪੰਜਾਬੀ * Polski * پنجابی * Português * Română * Русский * Srpskohrvatski / српскохрватски * Simple English * Slovenčina * Slovenščina * Српски / srpski * Sunda * Svenska * Тоҷикӣ * ไทย * Tagalog * Türkçe * ئۇيغۇرچە / Uyghurche * Українська * اردو * Tiếng Việt * 吴语 * 中文 * Bân-lâm-gú * 粵語 リンクを編集 * 最終更新 2021年11月7日 (日) 11:20 (日時は個人設定で未設定ならばUTC)。 * テキストはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスの下で利用可能です。追加の条件が適用される場合があります。詳細は利用規約を参照してください。 * プライバシー・ポリシー * ウィキペディアについて * 免責事項 * モバイルビュー * 開発者 * 統計 * Cookieに関する声明 * Wikimedia Foundation * Powered by MediaWiki